胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)とは、首から腕にかけて走行している筋肉の束(腕神経叢：わんしんけいそう)が、筋肉や骨などに圧迫されて、肩や腕、手や指が痺れたり、腕全体的に力が入りにくくなる神経疾患の一つです。

胸郭出口とは、首と胸の間のことを指します。

腕神経叢と血管(腋窩動脈・静脈、鎖骨下動脈・静脈)は、胸郭出口を通って、腕のほうに走行しています。胸郭出口は、関節や筋肉で込み合っており、何らかの原因で神経や血管が圧迫された際に、しびれなどの症状が現れます。

胸郭出口症候群は、総称であり、圧迫される部位(絞扼部位：こうやくぶい)によって、

・斜角筋症候群

・肋鎖症候群

・小胸筋症候群(過外転症候群)

と呼ばれます。

胸郭出口症候群は、女性のほうが男性に比べ発症しやすいと言われていますが、重いものを運ぶことの多い人や鍛えている男性でも発症することがあります。

また、バレーボールやバドミントンなどのオーバーヘッドスポーツをやっている方も発症しやすいと言われています。

さらに、胸郭出口症候群と気づかないまま症状が進行すると、頭痛や吐き気などの症状が現れる場合もあります。

胸郭出口症候群の主な症状は、肩や腕、肩甲骨周辺に痺れ、重だるさ、冷感、筋力低下などが現れることです。。

つり革につかまる、洗濯物を干す、洗髪する、ボールを投げる、腕を上げるといった動作を行うと、腕のしびれやだるさ、痛みといった症状が現れます。症状が強くなると、前腕(肘～手首)から手の指にかけて、痛みが強くなったり、握力が弱くなったり、細かい動作がしづらくなるといった症状が現れます。

胸郭出口症候群は、神経の疾患なので、うずくような痛み、刺すような痛み、ビリビリする感じといった感覚障害と、筋力低下や細かい動作がしづらいといった運動麻痺の症状があります。

また、運動麻痺の症状がある場合、手の内在筋が萎縮するため手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側が痩せてきます(小指球菌)。

さらに、胸郭出口症候群は、血流障害でもあります。

骨や筋肉が血管を圧迫すると、鎖骨下動脈の場合は腕への血流が悪くなるため、腕が白っぽくなり、鎖骨下静脈の場合は血液が心臓に戻れず、腕が青紫色になります。

胸郭出口症候群は、筋肉の過緊張や日常生活動作、不良姿勢、鎖骨や肋骨などの位置が深くかかわっていると言われています。

長時間の不良姿勢や睡眠不足、ストレス、重いものを持つ習慣などによって筋肉が過緊張な状態になったり、なで肩で神経が引っ張られやすい状態になったりすることが発症に関連します。

しかし、先天的な要因もあり、生まれつき鎖骨と第一肋骨の間が狭く、その隙間を通る神経や血管が圧迫されやすい状態にあり、発症することが挙げられます。また、頚肋(けいろく)と言って、胎生期の肋骨が残ったものも先天的要因に挙げられます。

首から肩の間で、神経や血管が圧迫されることで発症するのが胸郭出口症候群ですが、狭くなりやすいところが3つあります。

①前斜角筋と中斜角筋の間

②鎖骨と第一肋骨の間

③小胸筋と肩甲骨の間

また、それぞれ、

①斜角筋症候群

②肋鎖症候群

③小胸筋症候群

という名称がついています。

胸郭出口症候群の施術を行うには、まず神経や血管がどの部位で圧迫されているのかを鑑別する必要があります。そのため、鑑別するためのテストを複数行い、その後施術を行います。

また、横浜市保土ヶ谷区メディカル・ブルー整骨院では、カウンセリングも重視しています。

胸郭出口症候群の原因の多くは、日常生活に隠れています。日常生活や趣味、お仕事の話などをお聞かせいただいて、胸郭出口症候群の原因を特定し、施術プランを作成します。

このカウンセリングに基づいた施術プランを作成することで、痛みやしびれなどの症状の改善だけではなく、日常生活に戻っても、痛みを再発しづらい身体づくりを行うことができます。

多くの場合、不良姿勢や筋緊張が原因で症状が現れます。

この不良姿勢や筋緊張の原因は、骨盤のバランスの乱れや筋肉の柔軟性、筋力不足が挙げられます。

そのため、骨盤のバランスを整え、維持できる身体づくりをすることが、痛みやしびれなどの症状を再発しない身体づくりには欠かせないと私たちメディカル・ブルー整骨院は考えています。

また、柔軟性や筋力アップはその他のケガの防止になったり、競技への復帰をスムーズにする効果も期待できます。

自宅でできるケアの方法やトレーニング方法も指導し、患者様と二人三脚で症状の改善に取り組みます。

手や腕のしびれ、肩の痛みなどでお悩みの方は、お早めに横浜市保土ヶ谷区メディカル・ブルー整骨院にご相談ください。